職場でのアサーションのヒント

アサーションは「相手にyesと言わせる」ものではない

自分の考えや気持ちをわかってもらって相手にyesといってもらうことは誰でも期待することですが、アサーションは「相手にyesと言わせる」ものではありません。

「相手にyesと言わせる」ことは相手を自分の思い通りにしようとすることです。

一人ひとりが自分の思い通りにしようとしたのでは組織はまとまりません。

もしアサーションが「相手にyesと言わせる」道具で周囲の人達がアサーションを学んでいたらいつもyesと言わされることになりますが、そうなったらどのように感じるでしょうか。

「相手にyesと言わせる」には相手への配慮や相手を尊重する態度がかけています。

相手にyesといってほしいと頼むことは出来るが、相手がyesといってくれないことはありえるしあってよいのだとするのがアサーションの考え方です。

納得するまで粘り強く話し合うことや特には物別れになることもありえることを覚悟して表現するのがアサーションです。

アサーションは自主性と協調性を高める

アサーションは自分の気持ちや考えを自分で確かめ、言うか言わないかを自分で決め、言った場合も言わない場合もその結果を自分で引き受けます。

自分の言動に自分で責任を持ち他者のせいにしない態度であり自主的に物事に取り組む態度です。

アサーションを行うことで自主性を高めることができます。また、言いたいことを言うだけでなく、相手にも配慮し意見が合わないときにはお互いが納得するまで話しあおうとするのですから、協調性も高まります。

一人ひとりが自分の言いたいことをいうことは、結論がまとまらなくなるのではなく議論のきっかけを作ることです。

言いたいことを言うだけでなく、自分の言うことに責任を持ち相手も尊重するアサーションによって一人一人の異なる考えや意見を活かしながら自主性と協調性のある組織を作ることが出来ます。

アサーションにはトレーニングが必要

アサーションもリスニングもスキルです。スキルは考え方とやり方で成り立っています。

この資料ではアサーションとリスニングについて、考え方だけではなく具体的なやり方について解説をしました。

スキルとして身につけるには練習と実践が必要です。

講演を聴いたり本を読んだりするだけではなかなか出来るようにはなりませんし、知っているけれども出来ないのではスキルがあるとは言えません。

出来ない状態では本当の意味ではわかったことにもなりません。

スキルを身につけるにはトレーニングを行うことが有効です。

スポーツの上達と同様に、トレーニング方法を学んだトレーナーの行うトレーニングに参加して方法を学ぶことがスキルを身につける確実な方法です。

行動変容は自分から

アサーションの考え方を知っても「相手が変わらないのに自分がアサーションすることはできない」と思う人もいます。

アサーションをを難しくしている原因のひとつは相手との関係ですから、この考えも間違いともいいきれません。

しかしものの見方を「相手が変わらないのに自分だけアサーションするのは大変かも知れない。しかし自分なりのアサーションはすることが出来る。アサーションしないで相手が変わることを期待するよりは、アサーションするほうが相手が変わることを期待できる」とかえてみてはどうでしょうか。

アサーションは他人に期待する前にまず自分がどうするか考えることです。「相手が変わらないのに、、、」と考えるのは一見合理時にみえますが、自分がアサーションしないための言い訳になっています。

自分がアサーションすることで、自分の攻撃的表現や非主張的表現によって相手の攻撃的表現や非主張的表現を増幅する悪循環は絶つことが可能です。

継続した人間関係、相手であればDESCで自分ができるアサーションを準備することも出来ます。

アサーションは一人一人の自己決定による

個人と組織の相互尊重、組織を構成するメンバー間の相互尊重が、個人の意志を尊重し成果にも活かす組織になるためには必須です。

相互尊重を現実のものにするには組織のメンバー全員がアサーションすることが望ましいのですが、アサーションはあくまで自分が決めることで他者に強いることではありません。

自分の気持ちや考えを表現するかしないかは自分が決めること、その結果も自分で引き受けることです。

他者にアサーションを強いるのは相手を大切にする相互尊重の精神に反することになります。

アサーションはあくまで自分自身のことで、自己選択で行うことです。

目に見えない違いを理解する

同じ出来事に対して一人ひとり異なる感じ方をすることもあれば同じように感じることもあります。

人間には多様な存在であり同じように感じる同質性もあります。

「こういわれたら誰でもがっくるするのが当然」「自分がうれしく思うことは、相手もうれしいと感じるはず」などと考えるのは自他の同質性に着目した発言です。

アサーションは人の多様性、独自性を尊重します。

違っていてよい、違っていてむしろ自然であると考えるから他者と異なる考えや気持ちをアサーティブに伝えることが出来、自分と異なる他者の考えや気持ちを積極的にわかろうとすることが出来ます。

人の独自性、多様性を常に意識できていればよいのですが、物事の受け止め方など表現されないとわからないことについては他者も自分と同じだろうと考えがちです。

ですから自分と異なる意見を表明されたときに「どうしてそんなふうに考えるのだ(自分と違う考えはおかしいのではないか)?」と相手の考えに否定的になることがあるのです。

自分にとっては当たり前な物事の受け止め方などの心の働きを自覚し他者との違いを知ることができれば人の多様性を実感でき、多様性を前提として他者と関わることが可能になります。

認知(ものの見方・考え方)や準拠枠など自分にとって当たり前で日頃意識していないことについて自己理解を深めたうえで、他者の認知(ものの見方・考え方)や準拠枠を少しでも知ることが出来れば一人一人の違いを理解し、相互理解も深まります。自己理解と他者理解が、人の多様性を認めることを支えてくれます。

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