感情に注目することの効果

話の3要素の感情とは、事実をどのように感じているか、考えているかであり喜怒哀楽などのいわゆる感情よりも広い範囲を意味しています。先の例の「自分の適性に合わないと思う」も感情に含めます。感情に注目することの効果を、人間関係、コミュニケーションのミスを防ぐ、一人一人の違いを活かす、の3点から説明します。

人間関係

人間関係は信頼関係の基盤であり、相手のやる気にも影響すします。

部下「お客さんに怒られちゃって、もうやってられないですよ」
上司「怒られたって何があったんだ、お客さんどんな様子だった?」

仕事の会話は話の3要素のうち事実と計画を中心に行われます。

上司は部下とお客さんとの間でどのような問題、出来事があったのか事実に関する情報を集め問題解決の方法を考えます。

お客さんとの関係修復のために自分が謝りに行くか電話をするのか部下に任せるのかなどの対策を考えるわけです。
相手を理解しようとする、相手のいいたいことをわかろうとして話の3要素の感情に焦点をあてると上司の応答はいかのようになります。

部下「お客さんに怒られちゃって、もうやってられないですよ」
上司「随分腹を立てているようだがどうしたんだ?」

部下の「もうやってられないですよ」の発言に注目し、部下が「やってられない」と感じていることに関心を示しています。

部下は「やってられない」と感じている内容についてよりたとえば、がっかりしているのか、悔しいのか、自信がなくなったのかなどどのように感じているかを詳しく話すことになります。

このように聴くことで、お客さんに怒られたことが部下にとってどのような意味を持ち、今部下がどのように感じているのかを理解することができます。

聴いてもらった部下は、自分の気持ちをわかってもらったと感じます。

相手に自分をわかってもらっていると感じることは人間同士の信頼関係を作る第一歩になります。

また、気持ちを聴いてもらうことは自分を受け入れてもらったと感じ自分が大切にされた感じも持ちます。

さらに相手に大切にしてもらったと間実ことで自分が尊重されたと感じると自信ややる気につながるものです。

このように、相手を理解しようとして「聴く」ことは、相手や相手との人間関係にポジティブな影響を与えます。

コミュニケーションのミスを防ぐ

仕事上でのコミュニケーションは多くの場合、事実と計画で行われますが、感情に注目しないで解決しようとすると、誤解が生じて仕事の効率も下げることがあります。

上司「今度の仕事は、君たち二人に担当してもらいたいだが、、、」
部下「もう少し明確に言ってもらえませんか?」
上司「だから、今度の仕事は君たちがやりなさいといってるんだ。これは業務命令だ!!」
部下「・・・・」

部下の「もう少し明確に言ってもらえませんか?」は3要素に分けると計画です。

上司は「君たちに担当してもらいたいだが、、、」が明確でなかったのだろうと思って、強い口調で言いなおしたのですが、部下は、指示を受けた二人の分担を上司から明確に言ってほしかったのかもしれません。

あるいは、忙しい中での追加の仕事なので期限を明確にしてほしかったのかもしれません。

もし、話の3要素に注目して相手の話をわかろうとして「明確にしてほしいと言うのは、どんなことが明確でないと感じるのか?」と確認することが出来れば誤解を防ぐことができます。

上司のきき方だけでなく、部下がアサーションを学びDESCを使って自分のEを表現することでも誤解は防ぐことが出来るでしょう。。

違いを知り活かす

仕事をする上で、一人一人の考えの違いを活かすには、相手の考えの自分と違う部分に注目することが必要です。

出来事や状況をどのように受け止めるか、何を重要と考えるか、何が正しいと思うのか、どのような気持ちになったのか、など相手の感情をきくことで、解決策や結論が異なるのはなぜかを理解することができます。

話の3要素の感情は人のものの見方や受け止め方の違いを反映しています。

一人一人の独自性や創造性を活かしていくには自分と違う相手の考えを詳しく知る必要があり、話の3要素の感情に注目することで相手の考え方をより詳しく知ることが出来ます。

この場合の感情は、事実や状況をどのように受け止めたのか、何が重要だと思っているのかなど「気持ち」より「考え」とのほうが言葉としてよりぴったりくるかもしれません。

職場でのアサーティブなコミュニケーションには特に重要です。

感情に注目することの効果を、人間関係、コミュニケーションのミスを防ぐ、一人一人の違いを活かす、の
3点にわけて説明しました。このように話の3要素の感情に注目して相手の話を聴くことは人間関係の維持構築に役立つだけでなく、仕事を円滑に進め一人一人の違いを活かすためにも役立ちます。

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